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2021.7.25ヨハネの黙示録17 章9~18 節「滅びゆく悪の勢力」

  • 執筆者の写真: CPC K
    CPC K
  • 2021年7月21日
  • 読了時間: 7分

牧師 松矢龍造


悪の勢力は、一時栄え、唯一真の神・創造主にして救い主なる神様などいないと主張するか、あるいは敵対します。そして絶対的な価値などないと言います。イ・ドンウォンという方が「このように終末に備えなさい」という中で、「絶対的な価値」についてこのように言われていわれていました。

「スイスの『ラブリ・フェローシップ』というクリスチャン共同体に、全世界の知識人たちが集まったとき、主催者のフランシス・A・シェーファーが、この時代の方向性を提示しました。『19 世紀に起こった最も大きな悲劇は、人々が絶対的な価値を捨てたことです。その結果、現代人は、絶望のラインの下に落ちてしまいました』。

19 世紀以前の人達は、この世には絶対的に正しいことがあり、絶対的に間違っていることがあると考えました。論争をする時、その前提の下でしていました。ところが、19 世紀以降、人は絶対的な価値を疑い始めました。たとえば、聖書が真理とだという事実を、19 世紀以前のヨーロッパでは、だれもが受け入れていました。罪を犯した人たちさえも、絶対的な法があることを認めていました。

ところが、19 世紀を過ぎて、『神なしに生きることがなぜ罪なのか』という疑問が提示されるようになりました。絶対的な標準と絶対的な価値が揺らぎ始めたのです。現代の道徳的な混乱は、そこから始まりました。そして、世の人々は『神の法など認めたくないのに、なぜ認めなければならないのか』と言うようになったのです。

聖書の十戒は、神様が全ての世代に与えてくださった絶対的な価値です。私たちが神様の戒めを守り、正しく生きているなら、父なる神様は、ご自分の子どもである私たちを助けてくださるでしょう。絶対的な価値の力が無力に感じられる今の時代こそ、真理に立ち、神様の約束に対する絶対的な信頼を回復することが、切実に求められるのです。」

今日のヨハネの黙示録の御言葉では、この絶対的な神様とその絶対的な価値を否定する、悪の勢力である大淫婦が、神様の主権のもとで、裁かれることが記されています。

ヨハネの黙示録17 章9 節「ここに、知恵のある考えが必要である。七つの頭とは、この女が座っている七つの丘のことである。そして、ここに七人の王がいる。」

ここで「知恵」と訳されている言葉は、神様の意志と目的への霊的な洞察を基礎とするものです。また日常生活の一つ一つの事柄に対して正しく的確に判断を下すことです。そして判断を下したことに対して、行動する応用力のことです。

「この女」とは、ヨハネの黙示録が記された時代で言えば、ローマ帝国あるいは、ローマの都のことです。ローマの都は、七つの丘の上に建てられていました。そして七つの頭は、この時代では、ローマ皇帝であり、王と呼ばれています。

しかし歴史上、どの7人の皇帝を指すかは不明です。ある説では、七つの頭は、歴史上のエジプト帝国、アッシリヤ帝国、バビロン帝国、ペルシャ帝国、ギリシャ帝国、そしてローマ帝国と、やがて来る反キリストの帝国と、七つの帝国のことであると言う者もあります。

その他にも、イスラム主義、共産主義、全体主義、キリストに反対する人間、宗教団体、政府、組織などの、七つのことかもしれないと言う説もあります。いずれにせよ、七つの頭は、反キリストの勢力であり、一時的な勝利を得て、世界に対して「神などいない」と勝ち誇ったように言うでしょう。

ヨハネの黙示録17 章10~11 節「五人は既に倒れたが、一人は今王の位についている。他の一

人は、まだ現れていないが、この王が現れても、位にとどまるのはごく短い期間だけである。以前いて、今はいない獣は、第八の者で、またそれは先の七人の中の一人なのだが、やがて滅びる。」

ヨハネの黙示録が記された初代教会の時代で言えば、七人の王と言えば、ローマ皇帝たちのことです。以前はいて、今はいない獣とは、キリスト者と教会を激しく迫害した皇帝ネロのこととされ、彼は自殺しました。後に同じようにキリスト者と教会とを激しく迫害したのは、皇帝ネロの再来と呼ばれた、コンタンチヌス帝のことではないかと考えられています。

世の伝説とされていたのは、死者の国から帰ってきた皇帝ネロとパルティア国の連合軍という伝説です。これ確かでないのに、民衆の間に、伝説とされていたので、その伝説を信じてしまっている人々がいたことが背景となっているとも言われます。

12 節13 節「また、あなたが見た十本の角は、十人の王である。彼らはまだ国を治めていないが、ひとときの間、獣と共に王の権威を受けるであろう。この者どもは、心を一つにしており、自分たちの力と権威を獣にゆだねる。」

「十本の角と十人の王」とありますが、おそらく12 節の獣というのは、サタンのことで、このサンタに権力を与える別の10 人のローマ皇帝か、あるいはローマ皇帝を支持する10 人の支配者のことかもしれません。

14 節「この者どもは小羊と戦うが、小羊は主の主、王の王だから、彼らに打ち勝つ。小羊と共にいる者、召された者、選ばれた者、忠実な者たちもまた、勝利を収める。」

小羊とは、キリストのことであり、世の王たちが小羊と戦うのは、キリスト者と教会を迫害するという意味でしょう。しかしキリストは、全宇宙の創造者であり、主の主、王の王、すなわち唯一絶対的な主権者ですから、反キリストの全ての勢力に打ち勝たれます。

マタイによる福音書28 章18~20 節「イエスは、近寄って来て言われた。『わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。

彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。』」

私たちの罪の為に、十字架につけられ、三日後に復活されたキリストが、世の終わりまで、御聖霊によって共におられるます。ですからこの小羊なるキリストと共にいる者、召された者、選ばれた者、忠実な者たちもまた、勝利を収めます。

15 節16 節「天使はまた、わたしに言った。『あなたが見た水、あの淫婦が座っている所は、さまざまの民族、群衆、国民、言葉の違う民である。また、あなたが見た十本の角とあの獣は、この淫婦を憎み、身に着けた物をはぎ取って裸にし、その肉を食い、火で焼き尽くすであろう。』」

初代教会では、淫婦とはローマの都のことです。最初はローマを支持していた国は、最期には、ローマに敵対し、戦争に勝利します。歴史上その通りになりました。

17 節18 節「神の言葉が成就するときまで、神は彼らの心を動かして御心を行わせ、彼らが心を一つにして、自分たちの支配権を獣に与えるようにされたからである。あなたが見た女とは、地上の王たちを支配しているあの大きな都のことである。」

国々やあらゆる主義主張がありましても、「神の言葉が成就する時まで、神は彼らの心を動かして、御心を行わせ」とありますから、創造主なる神様は、全てを支配されています。

デ・チョンドクという方の「祝福されることがすべてではない」ということを受け留めます。「無神論哲学者であるカール・マルクスは、『宗教はアヘン・麻薬』だと言いました。しかし実は、無神論こそアヘンのようではないでしょうか。もし神様がおられなければ、倫理も掟も意味がなく、権力を握った者が、好き勝手にできるからです。

しかし教会にかよいながらもアヘンのようなものを求める人がいます。彼らは、神様に関心がなく、超自然的な力や祝福を求めるのです。神様を信じれば、祝福されるということが、全く間違っているというわけではありませんが、それだけを強調する信仰は未熟です。そのような人は、ほかの人のために責任を取ったり、十字架を負ったりすることには、関心がありません。

ただ『私』の問題がすべて解決されることを求めます。そのような人は、自我が死ななければならないという教えを受け留められず、自己中心で自然な人のまま残っています。イエス様は、『わたしの弟子になるためには、あなた自身の十字架を負いなさい』と言われました。イエス様の真理は、アヘンのようなものではありません。苦しみを感じさせます。

なぜでしょうか。今私が苦しんでいなくても、苦しんでいる人たちの苦しみを私も負い、その苦しみにあずかるからです。私たちは、キリストの苦難にあずかります。しかし、今は、そうでも、後にキリストの栄光にあずかります。キリストの苦難にあずからない者は、その栄光にも、あずかることができません。」

主にある愛する皆さん、神様の言葉が成就する時まで、キリストと共に苦難に預かります。そして神様の時に、栄光に預かります。その時を待ち望んで、今の時を、全てを信じ、全てを望んで、耐え忍び、主の御心に生きて行きませんか。御聖霊の力を祈り求めつつ。

最後にローマの信徒への手紙8 章17 節を拝読して閉じます。「もし子供であれば、相続人でもあります。神の相続人、しかもキリストと共同の相続人です。キリストと共に苦しむなら、共にその栄光をも受けるからです。」

お祈り致します。

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