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2021.8.8ヨハネの黙示録18 章14~24 節「世の悲しみと神の民の喜び」

牧師 松矢龍造


ヨハネの黙示録18 章には、何度も何度も「不幸だ、不幸だ」と繰り返されています。それは大バビロンという反キリストの巣窟であるである大きな都を、創造主なる神様が裁かれるからです。

この大きな都である大バビロンは、反キリストの都であり、創造主を無視した人間の高ぶりの都です。その都が、神様によって裁かれることは、物質主義の都の末路であり、人間の高ぶりの虚しさに対する嘆きです。それが「不幸だ、不幸だ」と言われています。

しかしこれと同じ表現は、創造主なる神様に背いたエルサレムの都に対しても用いられています。マタイによる福音書23 章37 節38 節「エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはお前の子らを何度集めようとしたことか。だが、お前たちは応じようとしなかった。 見よ、お前たちの家は見捨てられて荒れ果てる。」

この「不幸だ、不幸だ」と繰り返されている御言葉に対して、「幸いだ、幸いだ」と繰り返されていますのは、イエス様の教えられた山上の説教です。マタイによる福音書5 章3~10 節です。「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。柔和な人々は、幸いである、その人たちは地を受け継ぐ。

義に飢え渇く人々は、幸いである、その人たちは満たされる。憐れみ深い人々は、幸いである、その人たちは憐れみを受ける。心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る。平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。義のために迫害される人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。」

そして旧約時代の幸いは詩編1 編1~3 節に記されています。「いかに幸いなことか、神に逆らう者の計らいに従って歩まず、罪ある者の道にとどまらず、傲慢な者と共に座らず、主の教えを愛し、その教えを昼も夜も口ずさむ人。その人は流れのほとりに植えられた木。ときが巡り来れば実を結び、葉もしおれることがない。その人のすることはすべて、繁栄をもたらす。」

転それでは、バビロンの滅亡が預言されている、今日の御言葉をもう一度拝読いたします。18 章14 節「お前の望んでやまない果物は、お前から遠のいて行き、華美な物、きらびやかな物はみな、お前のところから消えうせて、もはや決して見られない。」

古代では、果物は、ぶどう酒と共に、一種の高級な食品と考えられていました。エレミヤ書40章10 節「このわたしがミツパにいて、やがて到着するカルデア人と応対しよう。あなたたちはぶどう酒、夏の果物、油などを集めて貯蔵し、自分たちの確保している町々にとどまりなさい。」けれど都にあった、これらの贅沢品が、私たちの中にないでしょうか。私たちも、実に大いなる贅沢品の中に生きているのではないでしょうか。目に見える全ての物を、追いかけないように注意が常に必要です。私たちも、所有物や快楽に夢中になってしまう危険にさらされていることを忘れてはなりません。

15~19 節「このような商品を扱って、彼女から富を得ていた商人たちは、彼女の苦しみを見て恐れ、遠くに立って、泣き悲しんで、こう言う。『不幸だ、不幸だ、大いなる都、麻の布、また、紫の布や赤い布をまとい、金と宝石と真珠の飾りを着けた都。あれほどの富が、ひとときの間に、みな荒れ果ててしまうとは。』

また、すべての船長、沿岸を航海するすべての者、船乗りたち、海で働いているすべての者たちは、遠くに立ち、彼女が焼かれる煙を見て、『これほど大きい都がほかにあっただろうか』と叫んだ。彼らは頭に塵をかぶり、泣き悲しんで、こう叫んだ。『不幸だ、不幸だ、大いなる都、海に船を持つ者が皆、この都で、高価な物を取り引きし、豊かになったのに、ひとときの間に荒れ果ててしまうとは。」

この反キリストの都は、ヨハネの黙示録時代では、ローマの都のことです。この大バビロンに対する裁きの特徴が三つあります。一つは、バビロンへの裁きが、一日のうちに、一瞬のうちに、ひとときの間に起こるということです。

二つ目に、荒れ果ててしまうとは、徹底的な裁きであるということです。「荒れ果てる」と訳された原文の言葉は「無に帰する」あるいは「見捨てられた状態にする」という意味でもあります。

そして三つ目の特徴として、「遠くに立って、泣き悲しんで」とありますように、裁きが防ぎようもない、恐ろしいものであるということです。

20 節「天よ、この都のゆえに喜べ。聖なる者たち、使徒たち、預言者たちよ、喜べ。神は、あなたがたのために、この都を裁かれたからである。」この都が裁かれた大きな理由の一つは、迫害による血を流した罪によります。24 節「預言者たちと聖なる者たちの血、地上で殺されたすべての者の血が、この都で流されたからである。」

この裁きは、国籍が天にある主の民にとって喜びであり、祝うことです。神様の正義を求め続けてきた彼らにとって、待ち望むことだからです。神様は、迫害の中で、殉教の血を流して罪を犯した者たちを、必ず神様の時に裁かれ、滅ぼされます。

21~23 節「すると、ある力強い天使が、大きいひき臼のような石を取り上げ、それを海に投げ込んで、こう言った。『大いなる都、バビロンは、このように荒々しく投げ出され、もはや決して見られない。竪琴を弾く者の奏でる音、歌をうたう者の声、笛を吹く者やラッパを鳴らす者の楽の音は、もはや決してお前のうちには聞かれない。

あらゆる技術を身に着けた者たちもだれ一人、もはや決してお前のうちには見られない。ひき臼の音もまた、もはや決してお前のうちには聞かれない。ともし火の明かりも、もはや決してお前のうちには輝かない。花婿や花嫁の声も、もはや決してお前のうちには聞かれない。

なぜなら、お前の商人たちが、地上の権力者となったからであり、また、お前の魔術によって、すべての国の民が惑わされ、』」と続きます。

これが創造主なる神様なしに築いた文明の末路です。それならば、不信仰と共に気をつけることは、お金への欲望が、私たちの生活を満たすと、偽りの神となるということです。富に対する欲望の奴隷にならないように常に気をつけなければなりません。

テモテへの手紙一6章8~10 節「食べる物と着る物があれば、わたしたちはそれで満足すべきです。金持ちになろうとする者は、誘惑、罠、無分別で有害なさまざまの欲望に陥ります。その欲望が、人を滅亡と破滅に陥れます。金銭の欲は、すべての悪の根です。金銭を追い求めるうちに信仰から迷い出て、さまざまのひどい苦しみで突き刺された者もいます。」

神の民は、お金ために生きるべきではありません。お金は、永遠の世界では価値のないものです。私たちの生活を支配しようとするものが、貪欲さと言う罪にならないように、常に警戒が必要です。

むしろ私たちの望みが、正しい方向に私たちを導くようにすることが重要です。きちんと境界線を引いて、世の欲に深入りすることなく、委ねられた賜物を、主の御心に沿って、善用出来ますように。神様は、私たちが働いて、家族の必要を満たすことを望まれ、お金を正しく使うように命じておられます。また人を助けること、神様に仕え、神の国を築き上げることに望みを集中して用いることを望まれています。

テモテへの手紙一6 章17~19 節「この世で富んでいる人々に命じなさい。高慢にならず、不確かな富に望みを置くのではなく、わたしたちにすべてのものを豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置くように。善を行い、良い行いに富み、物惜しみをせず、喜んで分け与えるように。真の命を得るために、未来に備えて自分のために堅固な基礎を築くようにと。」

最後に、ダニエル・キムという方の「完走者」の中から、「聖なる人生を追い求めましょう」という内容を受け留めます。「最近『幸せになりたい。もう不幸な人生は嫌だ。私は幸せになる権利がある』ということばを、よく聞きます。

ところが自分の幸せだけを考えていると、だれかのために自分が不幸になったとき、その人を避けるようになります。そして、自分が幸せになることが一番と考え、自分のやりたいように行動します。

そうすると、ある時から、主に従うのが難しくなります。神様の言葉に従うことは、時には苦痛に感じ、また困難を伴うからです。自分の幸せが人生の基準になると、神様の言葉が力を失い、人生の基準ではなくなります。

時間が経つにつれて、よく分かってくることは、幸せは必ずしも、自分を前に進ませるわけではないということです。幸せは、主に対する私たちの聖なる情熱を、むしばんでしまうこともあります。幸せになる権利は、神様の祝福の中に含まれていますが、自分の手で掴むものではありません。

神様は『心を決めなさい。本当に何が重要なのかを考えなさい。あなたの人生に最期に何を残したいと思うか。人生を何によって締めくくりたいのか』と言われます。束の間の幸せが重要なのではありません。聖なる人生を負い求めなさいという神様の召しに従うことを選び、その道を歩み続けることが、人生において最も重要なことなのです。」

主にある愛する皆さん、神様を無視し、物質主義に陥り、迫害の血を流す者たちとその文明は、必ず神様の時に裁かれ滅びます。むしろ悔い改めて、主イエス様によって救われ、委ねられた賜物を、神の国と、他の人の必要の為に用いて、未来に備えることができますように。御聖霊様の助けと力を祈り求めませんか。お祈り致します。

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