「シモン・ペトロが、『あなたはメシア、生ける神の子です』と答えた。」
牧師 松矢龍造
起
皆さんは、いままで、様々な問いを受けてきたと思います。たとえば「お名前は何と言
われますか。」「どこにお住まいですか。」など、沢山の問いがあったと思います。けれど、最も大切な問い、最大の問いは、「イエス様のことを、どのような方だと思いますか」です。
それは、皆さんが、どう答えるかによって、罪の赦し、死の解決、永遠の命、まことの
人生が、その問いに、どう答えるかにかかっているからです。
承
イエス様は、最初の12 人のお弟子さんたちに、同じ質問をする為に、フィリポ・ガイザ
リア地方に行かれました。この場所は、ガリラヤ湖のさらに北に数キロ行ったところにあ
ります。最初の地名は、フィリポ・カイザリアではなく、パニアスと呼ばれていました。
この地に、ギリシアの神のパンという偶像の神の神殿があり、その名をとって「パニア
ス」と呼ばれていました。
ところがこの地をローマ帝国が占領すると、ローマ皇帝カエサル・アウグストゥスは、
ヘロデ大王に、この町を与えました。するとヘロデ王は、皇帝崇拝の為に神殿を建てまし
た。そして後にローマ皇帝から遣わされたフィリポという総督が、皇帝と自分の名誉の為
に、この町の名前を、フィリポ・カイザリアに変更しました。
ですから、この場所は、偶像礼拝と人間崇拝の色濃い場所でした。この偶像礼拝と人間
崇拝のより強い場所に、イエス様は、わざわざお弟子さんたちを連れて行って問いを発し
たのです。先ずお弟子さんたちに、「人々は、イエス様のことを、どんな人だと言っていま
すか」と尋ねました。するとお弟子さんたちは、人々はイエス様のことを「バプテスマの
ヨハネさん」がふたたび来た・再来とか、「預言者エリヤさん」の再来、またほかにも「預
言者エレミヤさん」の再来とか「預言者の一人だ」という人もいます。
転
それでは、あなたがたは「わたしを、どんな者だと言うのですか。」するとペトロさん
が、他の弟子たち代表して、「あなたはメシア・救い主、生ける神の子です」と答えまし
た。するとイエス様は言われました。「ペトロさん、あなたは幸いだ。あなたに、このこと
を現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。」
天の父なる神様が、私達にイエス様のことを現して下さらなければ、誰もイエス様を神
の御子・救い主と信じることは出来ません。そしてもう一つは、私達自身が、イエス様の
ことを、自分の自由な心の意志で、イエス様は、神の御子、私の救い主と信じます」と信
仰の告白をすることが必要です。
イエス様は続けて言われました。「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上に、わたしの教
会を建てる。陰府の力も、これに対抗ではない。」ペトロさんが、イエス様を信じると告白
したこと、そして主イエス様が、教会の土台です。教会は、主イエス様を礎石とし、使徒
と預言者の生きた証し、そして私たちが、イエス様を信じる信仰の告白を土台として建て
られてゆきます。そして悪魔や死の力という陰府も、神様の教会に打ち勝つことは出来ま
せん。
さらイエス様は言われました。「わたしは、あなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上
でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」
ペトロさんに言われたことは、後に他の12 使徒にも、さらに全ての教会にも言われてい
ます。そして天の御国に入れる否かの鍵を持っているのは、私たちの罪の為に十字架にか
かり、墓に葬られ、陰府に下り、三日目に復活されたイエス様だけがお持ちです。イエス
様は、この鍵の権能を、教会に委ねて下さいました。それは天の御国に入れのは、イエス
様を信じることであるという、キリストの救いと福音を宣べつ伝える宣教の権能のことで
す。またイエス様を信じた人たちに、あなたの罪は赦され、天の御国に、イエス様によっ
て入ることが出来ますと、宣言する権能が委ねられました。
さらにもう一つイエス様は言われました。「御自分がメシア・救い主であることを、だれ
にも話さないよう」弟子たちに、この時は言われました。それは人々が、この時は、まだ
イエス様のことを、十分に理解してしなかったからです。イエス様のことを、単に病気を
癒してくれる人、あるいはローマ帝国から解放してくれる政治的、軍事的メシアとしか思
っていなかったからです。
イエス様が私たち一人ひとりの罪の身代わりとなって十字架につけられる受難の僕であ
る。さらに復活して神の国入れてくださるメシア・救い主と、人々が理解していなかった
からです。
結
それでは、皆さんに問います。「あなたは、イエス様を、あなたの主なる神様であり、救
い主メシアとして信じていますか。」それが私たちの罪の赦しと、死と永遠の命の解決、そ
して、まことの人生に生かされる生きる鍵です。
ペトロさんは、イエス様のことを信じて告白しましたが、後にイエス様のこと、三度も
知らないと言って失敗します。しかしイエス様は、ペトロたちの信仰がなくならないよう
に、祈られました。そしてペトロさんや弟子たちや、私たちの罪の身代わりとなって十字
架につけられました。そして復活され、ご聖霊の力をペトロさんたちにお与えになりまし
た。そしてペトロさんたちは、全世界に出て行き、救い主イエス様と神の国の福音を、宣
べ伝えて行きました。
そしてペトロさんは、後に手紙を書いて、このように伝えました。ペトロの手紙一2 章
4～6 節「この主イエス様のもとに来なさい。主は、人々からは見捨てられたのですが、神
にとっては選ばれた、尊い、生きた石なのです。あなたがた自身も生きた石として用いら
れ、霊的な家に造り上げられるようにしなさい。
そして聖なる祭司となって神に喜ばれる霊的ないけにえを、イエス・キリストを通して
献げなさい。聖書にこう書いてあるからです。『見よ、わたしは、選ばれた尊いかなめ石
を、シオンに置く。これを信じる者は、決して失望することはない。』」
神様に愛されている皆さん、皆さんも主イエス様を、「私の神、私の救い主」と信じて神
様の教会の土台の上に、皆さんの人生を、ご聖霊と共に、建てて行きませんか。
お祈り致します。