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2022.7.27恵みの祈祷会後半_コロサイの信徒への手紙 3 章 16~19 節

[3 章 18~19 節]

牧師 松矢龍造


異端、異教、迫害の中で、クリスチャンになった人々は、倫理面でも良き香りを放つことは、キリストを証しする者として大切なことです。そして倫理の中の大切な一つは、家庭における人間関係です。神様は、もともと家庭を信仰生活における、非常に重要な力であるとみなしています。

さらに「揺りかごを揺する手が、世界を治める」と言われる程に、家庭は世界を治める人や、次世代を担う子どもたちを養う重要な場所です。信仰の家族の一員として、ふさわしい行動のあり方を、使徒パウロは展開しています。


夫婦の関係、親子の関係、家の中の主人と奴隷の関係と三つの関係が展開されています。当時の時代背景で、そのまま現代に当てはめることは出来ません。しかし今日でも、適応できる共通の原則は、受け留めることが出来ます。

この三つの関係において、共通していることがあります。

一つは、夫と妻、親と子、主人としもべという二者の一方だけが権利を有して、一方だけが義務を負っている関係ではないということです。両者共に、権利と義務がある相互関係であるということです。

二つ目に、どの関係においても、「主にあって」ということが前提です。一つの前の節である 3

章 17 節が三つの関係のどれにもあてはまります。「そして、何を話すにせよ、行うにせよ、すべてを主イエスの名によって行い、イエスによって、父である神に感謝しなさい。」主にあってがないなら、結局、支配と服従という愛のない関係となり、争いと無視の伴った関係から逃れることは出来ません。

三つ目に、どの関係も、主からの知恵を必要としています。どのようになるのが、本当に良い関係なのか、主からの知恵と知識が必要となります。


18節「妻たちよ、主を信じる者にふさわしく、夫に仕えなさい。」これは、男尊女卑の制度や、女性劣等説を意味するのではありません。創造の秩序の中で、創造主よって示された、パートナ ーシップという点から言われています。男性のあばら骨子から、取られ造られた女性は、男性の 上に立つのでも、下に立つのでもなく、また男性と女性が同じ機能を果たすのでもありません。

夫のリーダーシップを妻は重んじます。夫が妻を従わせならなければならないと命じられているのではありません。全て妻の側の、主にある自発性、主体性に基づいて、仕えなさいと言われています。仕えると訳された原文のギリシア語は、従うという意味でもあります。これは主にあってということを意図的にしたいために、仕えると訳されていることはふさわしいと思います。

妻が夫に、主にあって自発的に仕える。それは主なる神様が人々の為にお定めになったことで す。しかしそれはキリストへの忠節を曲げない限りであって、夫がキリストを信じないように、 妻に強制するなら、キリストへの忠節により、夫に従いません。キリストへの忠節を、夫が曲げ ない限り、妻は夫の指揮に従います。夫のリーダーシップに、キリストにあって喜んで従うのが、キリスト者の妻にふさわしいです。

次に、相互に権利と義務を有する夫に対しても 19 節「夫たちよ、妻を愛しなさい。つらく当たってはならない」と命じられています。「愛しなさい」と訳された原文は、アガペーの愛です。すなわちキリストが教会を愛して、御自身を捧げられた愛を持って、妻を愛しなさいと命じられています。自分を心から愛して、捧げてくれる夫に対して、仕えることをいやがる妻はいないでしょう。

しかも「つらく当たってはならない」と加えられています。「つらく当たる」とは原文では、「苦く当たる」「かんしゃくをおこす」とも訳せます。「冷たい態度をとってはならない」あるいは「邪険な態度をとってはならない」と訳している聖書訳もあります。感情や言葉を苦くして、夫が妻にあたるということをしてはならない。

尊敬と愛を持って、自分の妻を扱うことは、世の慣習や特にローマ帝国の慣習に染まっていた夫たちにとって、慣れていませんでした。キリストが弟子たちの足を洗って仕えられたように、夫は妻を愛して、敬い、いたわり、仕えます。


賢いキリストを崇める夫は、リーダーシップの役割を濫用しません。またキリストを崇める賢い妻は、夫のリーダーシップをひそかに傷つけようと試みません。「キリストは、この家庭のかしら、食卓の見えざるホスト、すべての会話を静かに聞いていらっしゃるお方。」そのような有名な家庭における格言があります。

夫と妻との関係は、主従でも、隷属でも、支配でもありません。主にあって協同、共同です。 家庭というものに注意が向けられなくなるにつれて、私たちの文明までもが、急速に衰退してゆ きます。信仰の家族の一員として、主を信じる者に、ふさわしく夫と妻の関係がなりますように。教会としてどの家庭に対しても、祈り、証しし、御言葉の原則を勧めることが出来ますように。

たまに結婚式の誓約を互いに確認することは有益です。マレッジコースのセミナーでも推奨さ れています。「あなたは、この姉妹、あるいはこの兄弟と結婚し、神の定めに従って夫婦となろう としています。あなたは、その健やかな時も、病む時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、そのいのちのかぎり、堅く節操を守ることを約束しますか。」お祈り致します。

(二人ずつ間隔をおいて、互いに前を向きつつ、分かち合いと、執り成しのいのり時を持ちます)


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