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2022.9.14ダニエル書 11 章 21~45 節 「終末に向けての反キリストの攻撃と終わり」

  • 執筆者の写真: CPC K
    CPC K
  • 2022年9月17日
  • 読了時間: 7分

牧師 松矢龍造


旧約時代から現在まで、そして現在から世の終末にいたるまで、反キリストの勢力は、神の民に敵意を抱きます。創世記 3 章 15 節「お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に、わたしは敵意を置く。彼はお前の頭を砕き、お前は彼のかかとを砕く。」

お前とは、蛇の子孫、すなわち悪魔と反キリストの勢力のことです。そして女の子孫とは、神の民またキリストの教会のことです。この蛇の子孫と女の子孫との間には、たえざる敵意があります。キリストは、十字架と復活によって、悪魔の頭を砕いて致命傷を与えます。悪魔は、かかとを砕く、すなわちキリストを迫害して十字架においやることです。

神の民と教会は、キリストと同じように迫害を受けて苦しみますが、必ず十字架と復活のキリストが、勝利を与えてくださいます。キリストは、既に世と悪魔に勝っておられます。

ヨハネによる福音書 16 章 33 節「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」

預言者ダニエルは 90 歳となり、最後の預言を受けて、世に語りました。北の王は、アンティオコス 4 世であり、南の王とは、エジプトの王と考えられています。21 節の「卑しむべき者」とは、セレウコス 4 世の弟であるアンティオコス 4 世エピファネスのことでしょう。紀元前BC175 年から 164 年の治世と言われています。

セレウコス 4 世には、息子たちがいて、王位継承権がありましたが、まだ幼かったので、弟のアンティオコスが王位につきました。このアンティオコス 4 世は、最も豊かな地方と呼ばれる南のエジプトに対して、何度も遠征して占領しようとしました。

その道すがらのユダヤは攻められて、エルサレムの神殿が占拠されました。するとユダヤ教の大祭司、オニア 3 世を退かせ、神殿にギリシアの偶像神ゼウスを奉りました。

アンティオコス 4 世は、最初エジプトを治めていた若きプトレマイオス 6 世に対して攻撃をしかけました。虚言を言ったとありますが、アンティオコス 4 世が、プトレマイオス 6 世に対して、エジプトにおける自分の主権を認めさせたことを指すのでしょう。

アンティオコスは、エジプトのアレキサンドリアを征服しようとしましたが、失敗に終わると、紀元前 BC169 年にパレスチナ経由で、シリアに戻ります。その帰途の途中、敗北の腹いせに、エルサレムの神殿を攻撃し、貴重な祭具や宝物を略奪しました。

そして治世の末期には、ユダヤ人の礼拝と習慣を破壊しようとしました。ユダヤ教の祭司権力に介入し、神殿における日毎の献げ物を廃止させました。また神殿には、カナンの偶像神のような、ギリシアの神ゼウスを奉ります。女たちの慕う神とは、メソポタミアの植物神タンムズのことですが、他の神々をいっさい尊びませんでした。

アンティオコス 4 世は、ゼウス神のみを崇拝しました。そして後には、ギリシア語で、神の顕現を意味するエピファネスは、自分であると名乗り、驕り高ぶりました。さらにエルサレム神殿内で、豚をいけにえとしました。豚を汚れた動物としていたユダヤ人たちにとっては、敵から浴びせられる最悪の侮辱となりました。

ユダヤ人であるユダ・マカバイによって、紀元前 BC164 年のキスレウの月に、神殿が清められるまでの 3 年半にわたって、偶像の神々が神殿の中にありました。この悪しき王は、結局エジプト征服はならず、地中海とエルサレムの間で起こる戦闘で滅びるとされています。一説によれば、アンティオコス 4 世は、紀元前 164 年に、ペルシアへの遠征の途中に病死したと言われています。

11 章の 40 節から最後までの描写は、アンティオコスだけではなく、反キリスト、あるいは獣と呼ばれる、継続的な悪の勢力にも当てはまる預言とされています。それはアンティオコス 4 世以降の、後に現れる反キリストの勢力のことでもあります。現在まで成就したことと、これから世の終末に向けて起こることも含んでいるのではないでしょうか。ですから、この世の終末において、反キリストが激しい戦いを挑むことを教えているということです。その中で、いくつかのことを確認しましょう。

第一に、神の国と、この世の国との争いは続きます。しかし終わりには、創造主なる神様が、その栄光の御国を確立してくださいます。

第二に、たとえ反キリストの勢力が、海軍と陸軍をもって、破壊的な報復攻撃を行ったとしても、ついには、終わりの時が来て、彼らを助ける者はありません。

第三に、創造主にして審判者なる神様は、ご自分の民が、定められた時、以上に苦しむようにはなさいません。エドムとモアブとアンモンは、アンティオコス 4 世による虐殺を免れ、麗しの地であるユダは免れませんでした。しかし神様の時に、エドムとモアブとアンモンは裁かれ、ユダの地は回復します。

ヨハネの黙示録 13 章 5 節 6 節「この獣にはまた、大言と冒涜の言葉を吐く口が与えられ、四十二か月の間、活動する権威が与えられた。そこで、獣は口を開いて神を冒涜し、神の名と神の幕屋、天に住む者たちを冒涜した。」

マタイによる福音書 24 章 22 節「神がその期間を縮めてくださらなければ、だれ一人救われない。しかし、神は選ばれた人たちのために、その期間を縮めてくださるであろう。」

第四に、傲慢な者は、一時栄えても、神様の時に裁かれます。テサロニケの信徒への手紙 2 章 3 節 4 節「だれがどのような手段を用いても、だまされてはいけません。なぜなら、まず、神に対する反逆が起こり、不法の者、つまり、滅びの子が出現しなければならないからです。この者は、すべて神と呼ばれたり拝まれたりするものに反抗して、傲慢にふるまい、ついには、神殿に座り込み、自分こそは神であると宣言するのです。」

そして今日の御言葉であるダニエル書 11 章 45 節「海とあの『麗しの地』の聖なる山との間に天幕を張って、王の宿営とする。しかし、ついに彼の終わりの時が来るが、助ける者はない。」

第五に、蛇の子孫と女の子孫との間の敵意は続きますが、同時に救い主による救済の歴史も続きます。ヘブライの信徒への手紙7章 24 節「しかし、イエスは永遠に生きているので、変わることのない祭司職を持っておられるのです。」

最後に、チェ・ソンウンという方の「先にイエス様が受けられた苦難」を受け留めます。「十数年前、移民者のための牧会をしていた頃、友人の牧師を亡くしました。彼は癲癇を患っていましたが、急に発作が起こり、心臓麻痺で、この世を去ったのです。

そばにだれかがいて、処置していたなら、死に至ることはなかったかもしれませんが、残念なことに、牧師夫人は、心臓弁膜症の手術のために入院していました。子どもは、知的障害を持っていました。これこそ最悪な状況ではないでしょうか。

しかし、彼らは絶望して、自暴自棄になったり、神様を恨んだりせず、その苦難の中で、神様に深く出会い、ほかの人々を慰める人になりました。

死にたいほど苦しいとき、神様が、私たちが受けている苦難を受けられたことを覚えましょう。私たちの罪を贖うために、この地に来られ、十字架の苦難を受けられたイエス様に、理解出来ない苦しみはありません。

イギリスの清教徒学者リチャード・バクスターは、『イエス様は、ご自分が通られた場所よりも、暗い場所に、私を導かれることはない』と言いました。

苦難の中にいるなら、そして、これ以上、悪いことなどないと思うなら、十字架のイエス様の前に進みでましょう。『わたしも、わが子イエスが、十字架にかかって死ぬとき、とても苦しかった』と語られる父なる神様の御声に耳を傾けましょう。

神様が、私達が感謝して喜ぶべき理由を、あちこちに配置してくださっていることに気づくでしょう。」

神様に愛されている皆さん、どんな苦しみが、神様の民に許されていても、信仰の創始者であり、完成者である主イエス様と、その御言葉から、目を離してはなりません。永遠の神様と、その御言葉に、ご聖霊様の助けと力を祈り求めながら、目を留め続けませんか。

ヘブライの信徒への手紙 12 章2節 3 節「信仰の創始者また完成者であるイエスを見つめながら。このイエスは、御自身の前にある喜びを捨て、恥をもいとわないで十字架の死を耐え忍び、神の玉座の右にお座りになったのです。あなたがたが、気力を失い疲れ果ててしまわないように、御自分に対する罪人たちのこのような反抗を忍耐された方のことを、よく考えなさい。」お祈り致します。


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