「メシア・キリストは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる。」
牧師 松矢龍造
起
十字架で死んで、墓に葬られ、陰府に下られたイエス様は、三日後に、復活されました。そして最初に女性の弟子たちに現れ、次に男性の弟子たちに現れました。さらに40日間の間、男性だけで500人以上、女性と子どもたちを入れたら2千人以上の人々に現れました。
承
イエス様の復活された体は、想像しただけのものでもなく、幽霊でもありません。弟子たちは、復活されたイエス様の体に触れることが出来ました。復活されたイエス様は、ご自分の手や足をお見せになりました。十字架で処刑にされた人は、手首や足に太い釘が打ち込まれました。イエス様は、ご自分であることを分かってもらうために、その十字架につけられた時の、手と足を見せられたのです。
転
さらに復活されたイエス様は、食事も一緒にされました。イエス様が、弟子たちの前で食事をされたのは、復活された証拠を見せることでした。彼らの前で食べられ、自分が霊だけでなく、肉体を持っていることを示されました。それは弟子たちの喜びの源ともなりました。加えて、一緒にいた頃のキリストとの食卓の交わりがあったことを、思い出させて、弟子たちの心の目を開かせるためでした。
復活されたイエス様の体は、死んだのに生き返ったラザロのように回復した人間の朽ちる体ではありません。イエス様の復活された体は、もう二度と死ぬことのない、永遠に朽ちることがない体です。
加えてイエス様の復活された体は、現れることも、見えなくなることも、両方お出来になる体です。さらに言えば、イエス様を信じる私達も、死者から、よみがえった時、与えられる永遠の体と、同じものです。復活されたイエス様は、弟子たちに現れると、旧約聖書から、御自身について書かれている内容を語られました。そして分からせ、悟らせる為に、弟子たちの心の目を開かれました。旧約聖書全体には、救い主・メシアについて書かれています。旧約聖書の律法の書からは、救い主なるイエス様が、モーセと同じような預言者であること。詩編からは、十字架にかかり、復活されること。預言書からは、私たちの罪の身代わりとして、十字架で苦しまれることが書かれています。
同じように、ご聖霊なる神様は、今も、私たちが聖書を学ぶ時、イエス様と同じように、私たちの心の目を開かせ、分からせ、悟らせてくださいます。ご聖霊なる神様は、私たちが、御言葉の前後を読んだり、他の人に意味を聴いたり、聖書を解説している注解書を読んだり、ご聖霊様に祈ったりすることを用いて、神の言葉である聖書を悟らせ、信じることを助けてくださいます。
さらに、ご聖霊なる神様は、奇跡的な力を、私たちに与えてくださいます。御聖霊は、乙女マリアに臨まれると、結婚していないのに、おなかに救い主なるイエス様を宿す奇跡を与えられました。
またイエス様が捕まえられ、十字架につけられることになると、弟子たちは皆、逃げて行きました。ところが、ご聖霊なる神様は、弟子たちの上に降ると、弟子たちは、ご聖霊に満たされ、十字架につき復活されたイエス様を、大胆に、恐れることなく、宣べ伝えることが出来るようになりました。さらに、ご聖霊なる神様は、弟子たちを通して、病気を癒したり、死人を生き返らせたり、互いに愛し合う力を与えられます。そして復活されたイエス様は、罪の赦しを得させる悔い改めが、イエス様によって与えられるという、良きおとずれなる福音を、あらゆる国の人々に、宣べ伝えることを、弟子たちと教会に命じられました。その為には、弟子たちと同じように、御聖霊に満たされ、助けと力を得ないと、かつての弟子たちと同じように、出来ずに、逃げ出してしまいます。
結
私は、17歳の時のクリスマスに、イエス様を、私の救い主と信じる恵みに預かりました。そして18歳の時に、牧師になるように召しを頂きました。しかし、自分の生まれながらの肉の力に頼り、ご聖霊の助けと力を求めなかったので、その時は、逃げてしまいました。しかし三年間、逃げてしまった失望感にとらわれながら、毎年、祈りながら、聖書からもう一度、神様の召しを確認しました。一年で旧約聖書の創世記から、新約聖書の黙示録まで通読しました。二年目も、創世記からヨハネの黙示録まで読みました。そして三年目も、全体を祈りながら読みました。すると毎回、同じ聖書箇所である旧約聖書のエレミヤ書1章7節と8節が、ご聖霊によって、心に響いてきました。「しかし、主はわたしに言われた。『若者にすぎないと言ってはならない。わたしがあなたを、だれのところへ、遣わそうとも、行って、わたしが命じることをすべて語れ。彼らを恐れるな。わたしがあなたと共にいて、必ず救い出す』と主は言われた。」それで、牧師を養成する神学校に行って、最初の神学校を卒業してから、40年目となっ
ています。
イエス様は、弟子たちと教会に言われました。そして私にも、皆さんにも言われています。福音を、ご聖霊の力に預かって、あらゆる国の人々に、証をして伝えなさいと。皆さんも、十字架につけられ復活されたキリスト・メシアを宣べ伝えて行きませんか。最後にもう一度、今日の御言葉を拝読します。「メシア・キリストは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる。」お祈り致します。