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  • 執筆者の写真CPC K

家族関係・講座配信2022.11.17 シリーズ「父親として、夫として、男性として」

エフェソの信徒への手紙6章4節


「父親たち、子どもを怒らせてはなりません。主がしつけ諭されるように、育てなさい。」


牧師 松矢龍造


男性にとって、最も大切な仕事は何かと問われたなら、皆さんは何と答えられるでしょうか。それは「良い父親となること」と言われると、皆さんは同意できるでしょうか。家族関係・講座配信として、今まで取り上げることが少なかった領域が「父親として、夫として、男性として」というテーマです。

実は、このテーマは、とても重要なことでありながら、あまり扱われてこなかったことです。そして良い父親になることは容易ではありません。そして良い父親になろうとしたら、生涯にわたって、一日24時間、週七日間、愛の労苦が必要となります。その見返りもない場合もあるかもしれませんが、しかし男性にとって最も大切な仕事は、良い父親になるということです。

世では「働き改革」と言われることが出てきていますが、それ以上に大切なことは、「父親改革」ではないかと言われています。


父親との関係は、創造主なる神様との関係に、大きな影響を与えます。また家族との関係においても、大きな影響を与えます。そして社会での関係においても大きな影響を与えます。今回、最も参考にしていますのは、グレゴリー・スレイトンという方の「今日、より良い父親となる」という著書です。

良い父親になることは、家族を幸せにします。また社会に役立つように成長する子どもたちへの投資となります。そして父なる神様との関係に大きく関係してゆきます。

グレゴリー氏によりますと、「世界のどの国に行っても、常に父親の役割や、母親の役割は何よりも重要です。事実アメリカでは、父親のいない子どもたちが、罪を犯して収監されたり、麻薬中毒になったり、高校を中退したり、未婚のまま子どもをもうけたり、精神的な病にかかったり、年若くして非業の死をとげたりする率が、二倍から五倍となっています。ですから、良い父親になることは、人の命にかかわるほど重要なことなのです。」


世界の中で、ある文化では、父親を支え、導き、励ますことこが、上手になされています。しかしアメリカや日本では、残念ながら、この面が欠けていると言われています。

私自身の父親は、尊敬出来、愛情を注いでくれた存在でした。一番感謝していることは、キリストを信じて、「父なる神様」と呼びかけることが、自然にできることは、父親の存在が、尊敬と愛情の対象であったことが大きいです。また生涯が勉強であることを教えてくれました。そして、信仰の道を教えてくれた存在でもありました。

しかし今回最も参考にしているグレゴリー氏は、父親と一緒に過ごした経験はあまりない人です。この人の父親は、アルコールや、その他の有害な習慣に陥ってゆきました。そしてグレゴリー氏が、青年だった頃には、父と母が離婚し、それから父親は、母と子どもたちとの関係を完全に断ちました。そして20年後、父親が亡くなっていると知らされました。父親は、貧しく、ひとりぼっちで、ひどく痛み苦しんで、なくなっていったといいます。

父親の方から、家族との関係を断ったのですから、助けようがありませんでした。父親が生涯大切にしていたものである、お金とか権力は、彼の父親にとってまったく役に立たちませんでした。結局、父親は、自分自身のために生き、自分ひとりで死んでゆきました。父親は、まさに自分の撒いたものを刈り取ったにすぎません。グレゴリー氏が知っている中で、最も悲しい人の一人と言われています。

それでは、このような背景を持つグレゴリー氏が、どうして良い父親になるための著書を記すことができるようになったのでしょうか。それは、親友のおかげだと言っていました。この友人の家族は、中国系のアメリカ人で、父方の祖父は、台湾の最初の大統領であり、クリスチャンであった、蒋介石のもとで働いていた人です。そして友人も家族も、皆クリスチャンでした。それも熱心で忠実なクリスチャンでした。

また友人の母方の祖父は、中国南部に住んでいて、キリスト教の宣教師であった、ハドソン・テーラーの中国奥地宣教で、最初のクリスチャンになった人でした。そして何世代にもわたって、友人の家族は、忠実にキリスト信仰を守ってきた人たちでした。

そしてグレゴリー氏は、この友人の家族から、温かく親切に迎え入れられました。そして友人の父親は、静かですが、勤勉で家族をとても愛していました。友人の父親は、自営業で、お店を開いていました。平穏な時でも、困難な時でも、家族を愛する静かなリーダーで、言葉も行いも立派な人でした。その友人の家庭で、長い時間を過ごしていたグレゴリー氏は、自分の父親と、友人の父親は、ずいぶん違うと、はっきり分かりました。

友人の父親にとって、父親であることは、非常に大切であり、現在でも大切にしています。友人の父親は、父親として、家族に対して、サーバント・リーダーすなわち、仕えるリーダーであった姿は、グレゴリー氏にとって、とても良い刺激となり影響を受けました。そして良い父親になるためには、裕福であるとか、よい教育を受けているとか、由緒正しい家柄の出身であるとかということは、必要ではないことが分かったそうです。

父親として、立派に役目を果たしている友人の父親は、グレゴリー氏にとって、生きた証人でした。この父親は、よい父親であり、息子である友人が立派な人間や、素晴らしい父親になるように助けました。祖父であった人が、友人の父親を祝福し、父親の祝福が友人に及んでいました。そして友人は、自分の子どもたちにも、信仰深い父親として、祝福を受け継がせています。四世代にわたって、父親として祝福が、受け継がれています。

その友人の家族に触れ続け、そしてこの家族が信じている神様に触れ続けて、グレゴリー氏は、自分の父親との関係を乗り越えてゆくことができたと言われていました。そして良い父親として成長してゆくための著書を記すことが導かれました。

良い父親になることは、ローマは一日にして成らずの格言と同じで、素晴らしい父親になることや、強くて良い家族になることも、すぐになれません。二歩進んで一歩さがることの繰り返しです。良い父親とは、作りあげられてゆくのであって、生まれつきではありません。またどんな家族関係で育ったとしても、良い父親への道は、誰でもが歩める可能性が、神様にあってあります。

グレゴリー氏は言われます。「私は、百パーセント確信しているのですが、私たちが共に、心と思いと魂を一つにして、神様の助けを頂きながら、成長してゆけば、私たちは、よい父親になれるということです。さあ今日から始めましょう。」

できるかぎり、最高の父親になるとは、一生をかけた旅路と言われます。そして大きな旅行をするように、三つの大切なものがあります。一つは「地図やビジョン」です。二つ目に、ツール・道具です。そして第三に、仲間です。第一の「地図やビジョン」とは、どのようにしたら良い父親になれか、地図にあたるのが、神様の御言葉である聖書です。またどのような家族を築いてゆくか、ビジョンを示すのも、聖書の御言葉です。

第二に、ツール・道具は、困難に陥った時に、信仰と希望と愛に根差した生き方です。そした第三に、この旅路において、最高の協力者は、奥様、妻です。この世界で、あなたの妻ほど、あなたの子どもを愛している人はいません。そしてたとえ、何らかの理由で、あなたがシングルであっても、協力してくれる良き、他の良き父親という友人や教会が必要となります。


人間は、どんな父親であっても、欠点がない父親や母親はいません。ですから、不完全な父親と母親、または祖父母です。夫婦も不完全な、欠点がある二人が織りなす家族生活です。そして聖書や良き書物や仲間を通して、結婚生活や、親としての役割を学び続け、成長し続ける過程を通ります。そして創造主なる神様にして、救い主なる神様の助けと支えが常に必要です。

冒頭で拝読しました聖書の御言葉は「父親たち、子どもを怒らせてはなりません。主がしつけ 諭されるように、育てなさい」でした。父親がまず、主イエス様によって、しつけ諭される必要があります。そして主からの愛と真理と温もりに触れ続けながら、その愛と真理と温もりをもって、子どもを、怒らせたり、いじけさせたりすることなく、主がしつけさとされるように、育てます。

祈りと御言葉と、ご聖霊なる神様の助けの中で、実行してゆけますように。また他の仲間の祈りと励ましをも必要とします。主の恵みと教会の仲間の中で、よき父親を目指してゆきませんか。


お祈り致します。





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